Columns
コラム

UXデザイナーって普段どんなことを考えてるの?
2019.01.29
こんにちは。B.C.Membersの井上です。
5つぐらい年下の上司に「早く記事書いてください」と詰められたので、エースコンバット7をやりたい気持ちを必死で抑えて書きます。
クリエイティブ系やIT系で働いてると「UXデザイン」とか「ユーザー体験の向上」ってしばしば聞きますよね。
(聞かないよって方は今聞いたことにしといてください)
僕らの会社はその分野でお仕事をしてるんですけど、浸透具合はまだまだ低いなあというのが正直なところです。
「ユーザビリティだのUIだのと似たような言葉もあるし、なんか大事っぽいけど正直よくわかんねえ」という方も多いんじゃないでしょうか。
そのあたりのハードルを下げたいな、という思いもあって始めたUXコラムでもあるので、今回は僕らUXデザイナーって何をする人で、どんなことを考えている人種なのかというのを自分自身をサンプルに共有してみたいと思います。
<UXについて念の為おさらい>
その前に一応、”UX”って何か。「わかっとるわ」という方はここ飛ばしてください)
あえて一口でいうならば
「製品・サービスと関わってる間に起こる感覚や気持ちや思考のぜんぶ」です。
いくつか例を挙げてみます
-  「ディズニーランドのCM見てたら行きたくなってきた」
-  「このお菓子美味しい!」
-  「Twitterの”◯◯さんがいいねしました”って要る…?」
-  「メール送るよりLINEの方が手軽で楽だなぁ」
-  「前に使ってたカバンはちょっと重かったから次買うのは軽いのにしよう」
これらぜんぶ、”UX”の一部です。
何でもアリかよって感じですけど
何でもアリです。
細かく言うと性質が違うんですけど、そういう話はまたいずれ。
興味のある方は「予期的UX」「エピソード的UX」とかでググってみてください。面白いですよ。
とにかく「モノ」と「ヒト」が関わるすべてのタイミングで
「ヒトの中に生まれるいろんな感覚や気持ち」
をひとまとめに表現できるのが”UX(user experience = ユーザー体験,ユーザー経験)”という言葉なわけですね。
<UXデザイナーってこんなことを普段考えてたりする>
冒頭で言った”「UXデザイン」”とか”「ユーザー体験の向上」””は簡単に言うと
「モノに関わる時にヒトの中に生まれるいろんな感覚や気持ちを少しでも良くするにはどうすればいいのかな?」 を考えることです。
僕らUXデザイナーはそれをいろんなノウハウやロジックを使いながら考える、いわゆる専門家なわけですが、そんな仕事をしているともう本当になんでもかんでもUXに結びつけて考えるようになってきます。
例えば喫茶店でパソコンを使った作業をしている時。
「このお店は無料Wi-Fiがあるのか。オフィス街にあるから客層もビジネスマンが多いんだろうな。実際自分もありがたい。店舗のUX向上策として合理的だな!」
とか
「うーん資料を見ながら作業をしたいけど、職場と違ってサブモニターが無いから作業効率が落ちて余計なストレスが増える。当たり前だけど、”作業環境”という一点で考えると設備が充実しているオフィスや自宅の方が良いUXをもたらすな。」
とか。
例えばコンビニで買い物する時。
「お、このクッキーは袋の口がジッパーになっている。これなら開封後もしばらく保存できるから一度で食べきらなくて良いな。”オフィスなんかで時間をかけて少しずつつまみたい”人には良いアプローチだ、UXデザインを感じるぞ!」
とか
「ああ、コーヒーサーバーの機械に大量の注意書きがテプラで貼られている。ユーザーの理解力を過信したせいで”説明がないと操作がわからない!”という負のUXが大量発生したのかな。デザイナーが”わかるでしょ?”と甘えるとこういう悲しいことが起こるんだな…。」
とか。
例えばアプリで動画を見ている時。
「なぜ再生/送り/戻しが全て画面左下にまとめられているんだ。右利き人口の多さを考えて右下か中央に置く方が操作のストレスが減って今よりUXが良くなるんじゃないか?」
とか
「ボタンでの送り/戻しは1分単位になっているけど、スポーツ中継を見てる時なんかは「ん!?今の動きもう一回!」という状況があるから15秒戻しがあると嬉しいな。もし追加するならボタンの大きさと配置は大体このくらいで…」
とか。
改めて文字にするとなんというか、ある種の変態か偏執狂っぽいですね。
でも、UXデザインに取り組み始めてからの僕は割と本気でこんなことばっかり考えています。
言うなれば”UXデザイン的脳トレ”というか、「ユーザーの気持ちになって考えよう!」をほぼ常にやっている感じです。
<備えあればなんとやら>
もしかしたらこれを読んでくれている方が職場で上司に「UXがなっていない!改善しろ!」と急に言われて困る、なんてことがあるかもしれません。
普段の生活で触れるいろんな製品やサービスの良い点・悪い点について深掘りしてUXデザイン的な考え方を養っておけばそういう時に
「なるほど、ユーザーの視点で考えると今の製品は確かに××が不便かもしれないですね。□□を◯◯すると改善できるかもしれません。ただ、△△というシチュエーションを考えると安易な変更は結果的にUXの質を落とすかもしれません。効果的な改善案を出すためにも一度社内でテスターを募って実際に感想を集めてみましょう。」
とか言えるかもしれません!なんかかっこよくないですか?できるヤツって感じがしますね!!
まあかっこいいかはさておき、製品がユーザーにとってより望ましいものに近づく助けにはきっとなるはずですし、製品が良いものになることは回り回って自分たちのためにもなります。
そしてもし
「もはや自分たちが思いつくレベルではまるで物足りない!UXガチ勢の意見が聞いてみたい!」
と思った時にはその分野の専門家、つまり普段からUXのことばっかり考えてる僕らUXデザイナーに
「ちょっと見てもらいたいものがあるんだけど」
と声をかけてください。
UXデザイナーという人種はそりゃもう喜んで行きます!
テンションが少々おかしくなってきましたので今回はこんなところで。
それではまた。
Our Initiatives
BCMの活動

ものづくりUXSchool
「ものづくりUXLab」から生まれた、UX設計を本格的に学ぶ有料スクール。実戦で活用できる、本だけでは学べないUX設計スキルを修得し、誰でも”UXデザインができるようになること”が最終的な目標となります。
Show Detail >