優れたUXデザインとは何かを知ろう!事例3選から学ぶ成功の秘訣

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優れたUXデザインとは何かを知ろう!事例3選から学ぶ成功の秘訣

ビジネスにおいて、その重要性がますます高まっているUXデザイン。

「UXデザインは良いに越したことはない」と理解しているものの、具体的に何が優れたUXデザインなのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

「UX」とは、「ユーザー・エクスペリエンス(ユーザー体験)」のことで、それをデザインするのがUXデザインです。

といっても「経験」という言葉自体が抽象的で、イメージしにくいかもしれません。

そこでこの記事では、優れたUXデザインとは何かについて成功事例とともにご紹介します。

<優れたUXデザインとは?>

UXデザインの目的は、「ユーザーのうれしい体験」を引き出すことです。
つまり、目的を達成できるようなUXデザインが、優れたUXデザインといえるでしょう。

ここでいう「ユーザーのうれしい体験」とは、商品やサービスの利用を通じて得られるポジティブな体験のこと。

例えば、インターネットを使ってお目当ての商品を探していたとしましょう。
その商品を販売しているWebサイトを見つけましたが、そこで次のような体験をしました。

・商品の特徴や使い方が分かりやすく説明されていた
・買い物かごの場所がどこにあるかすぐに分かった
・品ぞろえが豊富で、他の商品もまとめて買うことができた
・会員登録したら○ポイント付与された
・決済までスムーズにできた

これらはみな、ユーザーのうれしい体験に入ります。
そして、ユーザーが「うれしい」を体験できるのも、「どうしたらユーザーの要求を満たせるか」を考え抜き、アイデアをカタチにしたからにほかなりません(例えば、購入ボタンを目立つように配置するなど)。

デザインというと、ビジュアル的な要素を想像するかもしれませんが、「UXをデザインするというのは、UXを設計する」ということなのです。優れたUXデザインを生み出すには、どの程度ユーザーを理解しそれを設計に反映できるかにかかっているといえるでしょう。

<優れたUXデザイン3事例>

ここでは、実際にUX/UIデザインを手がけている立場から、優れたUXデザインの事例を3つご紹介します。

Instagram(インスタグラム)

説明しなくてもお分かりかと思いますが、Instagramは、全世界にユーザーを持つ画像や映像の共有をベースにしたSNSです。

InstagramのUXデザインが優れているといえる最大のポイントは、投稿内容のわかりやすさ。他のSNSに比べて圧倒的に高いです。

Instagramでの情報共有は画像がメイン。そのため、文字ベースのSNSに比べて情報量や情報意図が整理されています。
InstagramのUIを見てみると、ユーザーを軸に、「コンテンツ」や「ストーリー」「フォロー」「メッセージ」などのオブジェクトが、情報意図別に整理できるよう配置されていることが分かるでしょう。

人が1秒あたりに処理できる情報の数は400億ほどと推測されていますが、そのうち脳によって意識的に処理されるのは40ほどにすぎません。

Instagramがどこまでこの点を考慮しているかは把握しかねますが、こうした人間の本質をもとにUXを設計することで、ユーザーのポジティブ体験を引き出すことに成功しています。

InstagramのUXデザインでもう一つ注目しているのは、情報共有を段階的開示している点です。
「段階的開示」という言葉は、J.M.ケラーによるARCSモデルという動機付けモデルの中で初めて用いられました。

ARCSモデルは、学習者の学習意欲を向上させる「動機づけの手順」のことで、以下のような段階に分かれています。

・注意(Attention)
・関連性(Relevance)
・自信(Confidence)
・満足(Satisfaction)

ARCSモデルは、学習者のやる気を引き出すようその段階で必要なコンテンツを提供し、学習者が最終的に自信と満足感を味わえるような学習内容を設計する指針として用いられています。
こうした特徴から、ARCSモデルは教育機関のみならず企業研修やUXデザインなど幅広く応用されています。

なお、段階的開示とは、例えばブラウザの「設定」を想像すると分かりやすいでしょう。
利用頻度の高い機能は表示されていますが、それ以外の機能は「詳細」をクリックしてから表示されるよう設計されています。これは、段階的開示の一例です。

Instagramでは、一度に何枚かの画像を使って情報共有することが多くあります。
段階的開示によってその時点でユーザーが必要としている情報だけの提供を繰り返すかたちになっており、エラーの発生を防ぐうえ、分かりやすさに貢献しています。

Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)

Nintendo SwitchのUXデザインは、ユーザーが「いつでも・どこでも・誰とでも」楽しめるという体験(UX)を具現化しています。

スマートフォン等、スマートデバイスの普及によってエンターテイメント業界は大きく変化しました。
この変化に伴う新たなユーザー体験(UX)をいち早く察知・分析し、スマートフォンとは違うゲーム機としての強みを活かすためにたどり着いたのが、「いつでも・どこでも・誰とでも」楽しむことのできるハードウェアでした。

従来のゲーム機のように、テレビに繋ぐことで据え置き機として楽しむことができる一方で、携帯機としてSwitch本体のみで遊ぶことも可能。Joy-Conを外すことで友達や家族と一緒に遊ぶこともできます。

スマートフォンの普及によって、エンターテインメントを楽しむ場所的制約がなくなった時代になったからこそ、「いつでも、どこでも、誰とでも」楽しみたいという欲求がユーザーの中に生まれました。Nintendo Switchは、ユーザーの欲求に刺さった成功例であるといえるでしょう。

Slack(スラック)

Slackは、ビジネスの場で活用するために開発された、メッセージングアプリケーションです。「チームコミュニケーションツール」といってもよいでしょう。

コミュニケーション周りのDX化は、コロナ禍で大きく進捗し、今ではビジネスにおいて必須のツールとなっています。

Slackは、これまで口頭ベースで行われていた業務コミュニケーションをチャットベースにすることで場所的・時間的制約を取り払い、コミュニケーションのUXを変えたサービスです。

チャットツールは複数存在していますが、Slackはプロジェクトごとにワークスペースを割り当てることができ、他ツールの中でも特に“現場”を意識したツールなのです。

Slackが 現場にフィットしたツールとして支持される秘訣は、カスタマーサポートなどに寄せられるユーザーからのフィードバックの活用。

寄せられたユーザーの声をデザインチームがアイデアとしてまとめ、それはキックオフミーティングにおける企画書となります。その後、企画書からSlackの仕様化へと進みます。

現場の声を拾い変化を続けるSlack。現場での採用率が高いというのもうなずけます。

<優れたUXデザインを取り入れるには?>

優れたUXデザインとは何かが分かると、「自社にとってベストなUXデザインを取り入れて新規事業を成功させたい」「自社の媒体を良いUXデザインに変えたい」と思うのではないでしょうか。

しかし、どうやって改善点を見つけたらよいのか、頭を抱えるかもしれませんね。

一番良いのは、やはりユーザーの視点に立ってUXデザインを見直すことではないでしょうか。

紹介した成功事例からも分かるとおり、UXデザインは「どうしたらユーザーに喜んでもらえるか」という問いからスタートしています。

これは、Webサイトやアプリなどの改善点を見直すだけでなく、新規事業を立ち上げる際のUXデザインについてもいえることです。

UXデザインの存在価値は、ユーザーがUXを通じてポジティブな体験をするという点にあります。
もし、自社のUXデザインがユーザーを喜ばせるのにベストなものだとしたら、改善する必要はありません。

けれども、使いやすさや快適さといった点で何かマイナスになるような要素がある場合は、ユーザーの視点に立って考え直す必要があるでしょう。

ユーザー視点で考えるということは、実際にそのWebサイトやコンテンツを使う立場にないと難しいかもしれません。

自分たちで理解するのに限界があるという場合は、ターゲットになりそうな人に協力してもらいましょう。実際に使ってもらって使用感等に関するフィードバックをもらったり、「こんなサービスがあったらうれしい」といった要望を聞いたりして情報を収集します。

感想や要望の中には、それまで見落としていた視点などに気づくきっかけになるものも少なくありません。こうした気づきをUXデザインに反映させることは、他社との差別化にもつながります。

このように、ユーザーにどのような体験をしてもらいたいか考えることは、良い商品を作ったりサービスを向上させたりすることと同様、ビジネスにおいて不可欠なことなのです。

<まとめ>

優れたUXデザインとは何かについてご紹介しました。

UXデザインは、ユーザーの満足度を高めるための考え方です。
UXデザインが重要視されているということは、提供する「モノ」や「コト」について考えることも必要ですが、ユーザーという「ヒト」を理解することも大切であることを物語っています。

UXデザインの改善点を見つけるにしても、新規事業を立ち上げるにしても、ユーザーを理解しUXデザインに反映させる作業を自社内でやり切ることは難しいかもしれません。

その場合は、UX/UIデザイン会社に相談することをおすすめします。株式会社B.C.membersは、主に新規事業の立ち上げに関する一連のプロセスを支援する、UX/UIデザイン会社です。

UX研究に基づいたUX設計フローで、企業様の目指すゴールに合わせた最適なユーザー体験設計をご提案。ビジネスモデルの相談から調査・分析、MVP開発、さらにリリース開発まで全面的にサポートします。

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